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歩きながらはじまること / 西尾勝彦

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西尾勝彦詩集『歩きながらはじまること』


言葉の「森」がここにある


奈良の山で暮らす詩人、西尾勝彦のポケットには、どんぐり、石ころ、いろいろな形の葉っぱや木の実。たくさんの宝物がつまっているに違いない。


『朝のはじまり』、『フタを開ける』、『言の森』、『耳の人』に加え、私家版『耳の人のつづき』を収録。


いつからか
素朴に
暮らしていきたいと
思うようになりました

飾らず
あるがままを
大切にしたいと
思うようになりました

そうすると

雲を眺めるようになりました

猫がなつくようになりました

静けさを好むようになりました

鳥の声は森に響くことを知りました

けもの道が分かるようになりました

野草の名前を覚えるようになりました

朝の光は祝福であることを知りました

人から道を尋ねられるようになりました

月の満ち欠けを気にするようになりました

遅さの価値を知る人たちに出会いました

一日いちにちが違うことを知りました

ゆっくり生きていくようになりました

鹿の言葉が分かるようになりました

雨音が優しいことを知りました

損得では動かなくなりました

わたしはわたしになりました

(『言の森』より「そぼく」)



著者 西尾勝彦
発行所 七月堂
発行日 2018年3月7日
四六判変形 並製
120×155 mm
本文 344頁

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