〈以下、版元ウェブサイトより〉
初谷むいが描く、9話の連作短歌による「物語歌集」
これは、月から地球へやってきた女の子の1年間の物語です。
生活の中の小さなことにも生まれる驚きと喜びとつまずき、
誰かが特別な「一人」になることのうれしさと苦しさ。
すべての感情がやさしく溶け合う魔法のような短歌211首を収録。
イラストは、「マムアンちゃん」でも知られるタイの漫画家、
タムくんことウィスット・ポンニミット。
【収録歌より】
月うまれ月で育った女の子 笑うとすこし光ってみえた
重力がちがえば靴も異なって、おはようニューバランスのあかるさ
はじめての雪の遅さがいとおしい わたし ぜんぶが最初から好きだった
だいじなのは だったのはここにいることで 麻雀牌の鳥のまばたき
わたしはあなたの地球になりたい、ということわざがあるの。月には。
【書籍詳細】
『笑っちゃうほど遠くって、光っちゃうほど近かった 』
著者:初谷むい
装丁:名久井直子
画 :ウィスット・ポンニミット
仕様:B6変形、上製、152頁
価格:1,870円(本体1,700円+税)
ISBN:978-4-86732-032-7 C0092
【著者プロフィール】
初谷むい(はつたに・むい)
1996年生まれ、北海道在住。2018年、大学生時代に書肆侃侃房より第一歌集
『花は泡、そこにいたって会いたいよ』を刊行し、発売後2週間で重版。
2022年に第二歌集『わたしの嫌いな桃源郷』(書肆侃侃房)を刊行。
共著に『スペース短歌』(時事通信社)。短歌ユニット「イルカーン」のメンバー。