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君たちの記念碑はどこにある?/ 中村 達
¥2,530
〈以下、版元ウェブサイトより〉 西洋の思想家が信奉する歴史の「外」に置かれてきた、カリブ海作家たちが想像/創造するオルタナティヴな思想の精華。 西洋列強による植民地支配の結果、カリブ海の島々は英語圏、フランス語圏、スペイン語圏、オランダ語圏と複数の言語圏に分かれてしまった。そして、植民地支配は、被支配者の人間存在を支える「時間」をも破壊した。 つまり、カリブ海の原住民を絶滅に近い状況まで追い込み、アフリカから人々を奴隷として拉致し、アジアからは人々を年季奉公労働者として引きずり出し、かれらの祖先の地から切り離すことで過去との繋がりを絶ち、歴史という存在の拠り所を破壊したのである。 西洋史観にもとづくならば、歴史とは達成と創造を巡って一方通行的に築き上げられていくものだ。ゆえに、過去との繋がりを絶たれたカリブ海においては、何も創造されることはなかったし、「歴史のない」もしくは「世界史的に重要でない」地域としてしか表象されえない。 ……本当だろうか? “海が歴史であります” ――デレック・ウォルコット “「目に見える」歴史でなくとも、ここには歴史がある” ――エドワード・ボウ 本書は、『私が諸島である』で「第46回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)」を受賞した著者が、カリブ海の風景に沈む地域的記憶を訪ねゆく試みをまとめた一冊である。 西洋の思想家が信奉する歴史の「外」に置かれてきた、カリブ海作家たちが想像/創造するオルタナティヴな思想の精華は、どのような姿をしているだろうか? “日本には、西洋社会の外から発信される記憶の思想を紹介する本はいまだ少ない。本書は、西洋の直線的な記録に抗い、海のような風景のプリズムを通して屈折し、反射し、揺らぎ重なり合い、形を変えながらも消えることのない記憶の光を描き出す、カリブ海の「記憶の詩学」を紹介する。カリブ海作家たちは、文学を通して歴史を再訪し、解体し、再構築し、そしてその記憶を想像/創造し直す。単線的な時間軸に縛られず、歴史を編み直すことで、かれらは過去へ未来へと縦横無尽に航海する多層的な記憶の物語を紡ぎ出すのである。[…]私がカリブ海のアカデミアに身を浸し、読み続けたカリブ海文学が持つ豊饒さを、読者のみなさんにも体験していただきたい。”――「序章 私たちがいなくなることはない」 かれらの詩学的挑戦に、今こそ刮目されたい。 定価:2,530円(本体 2,300円) 刊行:2025/06/24 ISBN:9784760156320 判型:四六判 ページ数:352 【著者略歴】 中村 達〈なかむら・とおる〉 1987年生まれ。専門は英語圏を中心としたカリブ海文学・思想。西インド諸島大学モナキャンパス英文学科の博士課程に日本人として初めて在籍し、2020年PhD with High Commendation(Literatures in English)を取得。現在、千葉工業大学准教授。主な論文に、“The Interplay of Political and Existential Freedom in Earl Lovelace’s The Dragon Can’t Dance”(Journal of West Indian Literature, 2015)、“Peasant Sensibility and the Structures of Feeling of ‘My People’ in George Lamming’s In the Castle of My Skin”(Small Axe, 2023)など。日本語の著書に『私が諸島である――カリブ海思想入門』(書肆侃侃房、2023)。2024年11月、同書で第46回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)を受賞。
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あなたがいたから 45の独立書店をめぐる旅 / 相田冬二
¥1,980
〈以下、著者noteより〉 ルポルタージュともエッセイとも違うあらたな視点から、いま全国的なムーブメントとなっている「独立書店」の世界を、門外漢がフィールドワークする画期的な一冊です。 岐阜・名古屋、京都、四国・広島、九州、東北の旅に加え、東京・関東の書店についてのコラム、さらにベテラン店主、20代のネット書店店主へのインタビューまでを含む154ページ。 □登場書店(登場順) Seesaw Books BOOKS&FARM ちいさな庭 TOUTEN BOOKSTORE ON READING 本屋 象の旅 カクカクブックス 本屋・文日和 本・ひとしずく HUT BOOKSTORE bookpond スペースぱせか ふたば書房 御池ゼスト店 CAVA BOOKS 誠光社 余波舎/NAGORO BOOKS ホホホ座浄土寺店 PEOPLE BOOKSTORE 泊まれる本屋まるとしかく 本屋ルヌガンガ 本の轍-Book On The Tracks- リーダン・ディート twililight Bareishoten KIMAMA BOOKS books selva 古本と新刊 scene MINOU BOOKS 久留米 Penguin Bookstore t e n そぞろ書房 crumbooks blackbird books FOLK old book store 本屋ロカンタン 1003 本の栞 本のすみか stacks bookstore Book Store Pellonpää BOOKNERD 八戸ブックセンター TSUNDOKU BOOKS 曲線 読書屋 息つぎ 本のお店スタントン スタッフは、編集・森田真規、デザイン・戸塚泰雄、装画・箕輪麻紀子という『あなたがいるから』と同じチーム。四半世紀の執筆人生を総括した前作とは打って変わって、全篇書き下ろしの軽快なものになりました。書き手としての新境地に到達したと自負しております。相田冬二の根本にあるビギナーズ精神も浮き彫りになりました。 「独立書店」に興味がない方にも、旅の記憶を記録した本として、きっと楽しんでいただけることと思います。そして、これは一種の「マイブーム本」です。何かに夢中になった経験がある方にはきっと届くはずです。
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【エディションナンバー入り】あなたがいるから 2025 edition / 相田冬二
¥3,960
〈以下、版元ウェブサイトより〉 ライター、ノベライザー、映画批評家の相田冬二さんが、2019年〜2025年にかけて劇場用パンフレットに寄稿した作品評111篇を収録した一冊。お色は深みのあるグリーン。佇まいもとっても美しいです。 映画に詳しくない人にも文章として楽しんでもらえるように。巻末で相田さんはそのように綴っています。評論家のような視点ではなく、私たち鑑賞者と同じ目線で映画をみつめて紡がれた文章だからこそ、対象を限定しない、誰にでも届く作品評になっている気がしました。 エディションナンバー入りの特別感のある一冊を、ぜひこの機会にお手にとっていただけたら嬉しいです。
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悲しいときこそごはんを食べる
¥1,000
SOLD OUT
悲しいときのごはんと、それにまつわるエピソードが書かれた8名の作家さんによるエッセイ集。 発行しているのは、横浜・日本大通り「LOCAL BOOK STORE kita.」にて一棚書店を運営しているCoyote Booksさん。 全78ページの文庫サイズ版。 ーーーー タイトル:悲しいときこそごはんを食べる 定価:1,000円(税込) 文:ユウ・ホワイト、森正祐紀、山中散歩、佐々木綾子、Tomoko、小松﨑拓郎、セリナ、栗山桃香 表紙イラスト:中澤楓 発行者:ユウ・ホワイト 発行所:Coyote Books
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やりなおし世界文学 / 津村記久子
¥935
SOLD OUT
〈以下、版元ウェブサイトより〉 もういいかげん、ギャツビーのことを知る潮時が来たようだ──。 いつかは読みたい、けれどなんだか敷居が高い古典名作の数々。国も時代も文化も違うそれらの世界は、自分と同じような悩みや、新しい友達のような登場人物や、生きるうえで勇気が持てる姿勢に満ち満ちていた! 『灯台へ』『ペスト』『カラマーゾフの兄弟』など、全92作の魅力をふだん使いの言葉で綴る、軽やかで愉快な文学案内。 判型 新潮文庫 頁数 496ページ ISBN 978-4-10-120144-3
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これがそうなのか / 永井玲衣
¥1,980
SOLD OUT
〈以下、版元ウェブサイトより〉 ことばと出会い、ことばと育ち、ことばを疑い、ことばを信じた。 『水中の哲学者たち』で一躍話題となった著者は、 ことばに支えられながら、世界を見つめ続ける――。 過去から現在までの著者自身を縦断し、 読者とともにこの社会を考える珠玉のエッセイ集。 【第一部 問いはかくれている】 日々生まれる「新語」。 新語は、現代社会が必要とするから生まれるはず――。 けれど、なぜ私たちはそのことばを作ることにしたのだろう? 新語の裏に潜む問いを探り出し、私たちの「いま」を再考する12篇。 【第二部 これがそうなのか】 幼少期を本とともに過ごしてきた著者。 これまでに読んできた数々の本の中から大切な言葉を選び抜き、争いの絶えないこの世界との対話を試みる。 過去に書き残されてきた幾つもの言葉から、私たちの未来を惟る12篇。 2025年11月6日発売 1,980円(税込) 四六判/320ページ ISBN:978-4-08-770013-8 【著者略歴】 永井玲衣 (ながい・れい) 1991年東京都生まれ。人びとと考えあい、ききあう場を各地でひらいている。問いを深める哲学対話や、政治社会について語り出してみる「おずおずダイアログ」、せんそうについて表現を通して対話する写真家・八木咲とのユニット「せんそうってプロジェクト」、Gotch主催のムーブメント「D2021」などでも活動。 著書に『水中の哲学者たち』『世界の適切な保存』『さみしくてごめん』がある。第17回「わたくし、つまりNobody賞」受賞。詩と植物園と念入りな散歩が好き。
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明日の恋人たち / チョン・ヨンス
¥2,640
〈以下、版元ウェブサイトより〉 人は人を愛せるのか?――新しい韓国文学はこの問いから始まる。 韓国を代表する文学賞「第69回現代文学賞」受賞作にして、文芸誌「GOAT」掲載で話題となった「未来のかけら」も収録! 自分たちの許されぬ関係を本にしたいのだけど――「僕たち」 破局を迎えた知人夫婦、その家に住むと――「明日の恋人たち」 どうやら伯母はスイスで安楽死をするようだ――「より人間的な言葉」 親友の赤ちゃんを落としてしまった僕は――「平穏無事な現代生活」 父と母の不幸な夫婦生活の終わり――「二人の世界」 自殺しようとした母の人生はどう描かれるべきか――「未来のかけら」 韓国文学の新星チョン・ヨンス、初邦訳短編集。 6つの物語の揺らぎがあなたの心を未来へ誘う。 ここには私の隣人が描かれている――カバー裏には、金原ひとみさんの書評も掲載! 著/チョン・ヨンス 訳/吉川 凪 定価2640円(税込) 発売日2025.10.29 判型/頁4-6/192頁 ISBN9784093567572
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虚池空白の自由律な事件簿 / 森 晶麿
¥1,980
SOLD OUT
その一言が、謎を呼ぶ――。 自由律俳句の伝道師といわれる俳人・虚池空白と編集者の古戸馬は、本の企画のため、世の中の落書きや看板などに落ちている言葉を、詠み人知らずの名句〈野良句〉として集めている。 そんな彼らが手にした〈野良句〉の裏には、喜怒哀楽に満ちた、それぞれの秘密が隠されていた――。 行きつけのバーの紙ナプキンに書かれた「柱に当たって月消し帰る」、急逝した作家が一筆箋に残した「金拾お我より見つけろ白は黒」、夜の動物園のキリンの写真と共にSNSに投稿された「おりのなかキリンしかしらないこわい」、消息を絶った自由律俳句の天才が箸袋に残した「あかい雨降らばいつかの帰路」など、言葉の裏に潜む人間の愛憎や秘密、時にはある犯罪を、迷コンビが解き明かしていく。 2025年8月26日発売 1,980円(税込) 四六判/288ページ ISBN:978-4-08-770018-3 【著者略歴】 森 晶麿 (もり・あきまろ) 1979年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。2011年、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞受賞。〈黒猫シリーズ〉のほか『探偵は絵にならない』『切断島の殺戮理論』『名探偵の顔が良い 天草茅夢のジャンクな事件簿』『あの日、タワマンで君と』など著書多数。
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百日と無限の夜 / 谷崎 由依
¥2,420
〈以下、版元ウェブサイトより〉 初めて知るのだが、母体の内部は、らせんだ。 拗れて考えて、愛して爆発して、無限へ手をのばす。 らせんだ。凄い。 ――古川日出男 女の体の全てがここにある。 自身の胎内めぐりの旅に出た女と共に 私たちにも闇の先の光が降ってくる。 これは生まれ直しの物語だ。 ――中村佑子 第一子の妊娠中、切迫早産で急遽入院を余儀なくされた「わたし」。 医師からは「3ヵ月は出られない」という衝撃の事実を聞かされる。妊娠7ヵ月で子宮口がひらくとは、それほどの重症なのだった。 生業とする書き仕事や日常の営みを奪われ、ただすべての時間を横になって過ごす日々の中、 ある晩ひとりの女が「わたし」のもとを訪れる。彼女こそ、能『隅田川』に登場する女物狂い。 人攫いに遭い子を失った彼女を案内人に、中世・京の都から駆け込み寺、若狭のお水送り、海辺の産小屋へと、「わたし」と“班女”の時空を超えた道行きは続き……。 切迫早産での入院中の日々の詳細と、 子産みと生命にまつわる夢幻の地獄めぐりを編み上げた、 かつてない出産幻想文学。 2025年9月26日発売 2,420円(税込) 四六判変型/304ページ ISBN:978-4-08-770010-7 【著者略歴】 谷崎由依 (たにざき・ゆい) 1978年、福井県生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。2007年「舞い落ちる村」で第104回文學界新人賞受賞。19年『鏡のなかのアジア』で第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。近畿大学文芸学部准教授。小説執筆のほか、英語圏小説の翻訳を手がける。その他の著書に『舞い落ちる村』『囚われの島』『藁の王』『遠の眠りの』、訳書にジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』『キャンディハウス』、ノヴァイオレット・ブラワヨ『あたらしい名前』、コルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』など。
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月を見に行こうよ / 李 琴峰
¥2,200
〈以下、版元ウェブサイトより〉 世界各地から詩人や小説家などの文筆家が招かれ、およそ二か月半にわたって滞在・交流する、アイオワ大学の国際創作プログラムIWP(International Writing Program)。 このプログラムに招かれた経験をもとに、背景の異なる個性的な創作者たちとの交流、各々の作品に対する姿勢や創作への覚悟を描いた、書く者たちの物語。 2025年8月26日発売 2,200円(税込) 四六判/272ページ ISBN:978-4-08-770015-2 【著者略歴】 李琴峰 (り・ことみ) 1989年、台湾生まれ。作家・翻訳家。2013年来日。早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程修了。2017年、『独り舞』で第60回群像新人文学賞優秀作を受賞しデビュー。2021年、『ポラリスが降り注ぐ夜』で第71回芸術選奨文部科学大臣新人賞、『彼岸花が咲く島』で第165回芥川龍之介賞を受賞。著書に『星月夜』『生を祝う』『シドニーの虹に誘われて』『日本語からの祝福、日本語への祝福』他。
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なぜ人は締め切りを守れないのか / 難波優輝
¥1,980
〈以下、版元ウェブサイトより〉 「締め切り」から現代社会に深く埋め込まれたルールを描き出し、豊かな生き方を探る哲学的冒険! 目次 序章 なぜ人は締め切りを守れないのか 第1章 いい時間とわるい時間―私たちはどんな「今」を生きたいのか? 第2章 プロジェクト―私たちから時間を奪うもの 第3章 生きている時間―私たちはいつも何かに間に合わない 第4章 いろいろな遊びの時間を旅する―時間の遊び論 第5章 いい時間をつくる―時間正義のためのデザイン 第6章 デッドライン―死から締め切りの本性を考える サイズ 46判/ページ数 295p/高さ 19cm 商品コード 9784911288207 著者等紹介 難波優輝[ナンバユウキ] 1994年、兵庫県生まれ。会社員、立命館大学衣笠総合研究機構ゲーム研究センター客員研究員、慶應義塾大学SFセンター訪問研究員。神戸大学大学院人文学研究科博士課程前期課程修了。専門は分析美学とポピュラーカルチャーの哲学
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【予約受付中|特典ステッカー付き】日記集 すすめすすめ2/ まつさかゆう
¥1,540
予約商品
*こちらは予約商品です。 *書籍の仕様に関しては変更になる可能性もございます。 私が書くことを選んだこと。そうでないこと。 その境目に何があったとしても。そこにどんな迷いがあったとしても。 それが誰かの目にふれることはない。それでも、そこに迷いがあった事実は消えない。 雪のようにふわふわと降り積もって、溶けることもなく私の中に残るのだ——。 —— noteにて毎晩書き連ねている本屋ブーケ店主の日記。 2025年7月〜12月に書いた半年分の日記をまとめました。 それぞれの月日に思いを馳せた詩を5篇と、巻末付録として「日記を書くということ2」も収録。 —— 7月29日(火)|晴れ、日陰は風が心地いい 髪を洗っていて違和感を感じる。ああ、またやってしまった。これはボディソープである。それからはもうキシキシギシギシと髪が鳴いて、洗い流してからトリートメントをつけて流すと、その違和感が少しずつなくなっていった。本来の使い方をされなかったボディソープも、一日暑さにさらされたのに蔑ろにされた髪の毛も、どちらも不憫でならない。髪を乾かしながら、新しい寝間着を着た自分と対峙する。帰り際にユニクロで買ったキース・ヘリングのTシャツ。胸元にある刺繍のワンポイントが思いのほか可愛くて、せっかくセールになっていたからもう一枚買っておけばよかったなぁと思う。ボタンのついたパジャマに憧れがあるのものの、なかなか手を出せずにいる。それもあって、基本的にスウェットにTシャツ(冬はロンTかスウェット)が多い。それも数パターンを延々と着回して、傷んだら買い換える。そんなわけで、ちょうど買い換える時期がやってきたのだ。新しい服に袖を通した時、その行き先が観光地であれ、寝室であれ、心が踊るのは変わらない。 —— 【書誌情報】 著者:まつさかゆう 装画:BUGBUGABOO 発行:はなやぎ出版(本屋ブーケ出版部) 仕様:変形A6サイズ(W 110 × H 138mm)並製本 250p前後 発売日:2025年1月20日 発売予定 価格:1540円(税込)
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どこにでもあるケーキ / 三角みづ紀
¥1,870
〈以下、版元ウェブサイトより〉 わたしは十三歳になっていた。 わたしは皆とはちがう/全員がささやかにあらがう/でも完全にちがうのはこわい 『どこにでもあるケーキ』 詩篇:三角みづ紀 装画:塩川いづみ 装丁:鈴木千佳子 定価:1700円+税 発売:8月28日頃 刊行:ナナロク社 ISBN:978-4-904292-95-2 C0092 本文:120頁/詩33編+口絵2点+あとがき 造本: 文庫よりひとまわり大きい上製本です。小口と天地に赤インクを塗る、三方小口塗装です。表紙絵は塩川いづみさん。タイトルは細い金の箔。カバーの代わりにグラシン紙という半透明の紙を巻いています。 詩集『よいひかり』(小社)に続く、三角みづ紀の第8詩集は、詩人の記憶を重ねた13歳を描く33篇の書き下ろしです。 誰もが感じてきた変わっていく心と身体と家族との関係性、教室の疎外感や世界の美しさを、失った記憶が蘇るように描きだします。 タイトルの『どこにでもあるケーキ』をはじめ、一見すると否定的な言葉に、どこかそうありたいとも願う繊細な感情が見事に詩となっています。 すべて一人の目線で描かれるため、主人公のいる短い物語としても読め、しばらく詩から離れていたなという方にも、親しみやすい一冊です。 【プロフィール】 三角みづ紀(みすみ・みづき) 1981年鹿児島生まれ。札幌在住。在学中に現代詩手帖賞、第1詩集で中原中也賞を受賞。第2詩集で南日本文学賞と歴程新鋭賞を受賞。一ヶ月の間、欧州を旅して執筆した第5詩集『隣人のいない部屋』で萩原朔太郎賞を史上最年少受賞。デビューから現在まで、その活動が一貫して注目される詩人です。2016年度より、南日本文学賞の選考委員を、町田康、又吉栄喜、両氏と共に務めています。
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【サイン本】メキシコ / 三角みづ紀
¥1,980
〈以下、版元ウェブサイトより〉 中原中也賞、萩原朔太郎賞の受賞詩人、三角みづ紀さんの10冊目の詩集。 2023年と2024年、2度のメキシコでの滞在中に書かれた37篇の詩と17篇のエッセイを収録しました。 B6変形判 縦170mm 横128mm 厚さ10mm 重さ 126g 144ページ 並製 知らない土地で言葉を綴る行為は、生まれかわるための行為だとおもう。 過去の自分を模倣するように表現することが、わたしにとってはもっともおそろしいことだ。 なので、何度でも手放して、何度でも死ぬ必要があった。 ―「二〇二四年七月初旬、メキシコシティにて」より 一冊ごとにあたらしい自分と出会い、詩を書き続けてきた三角みづ紀のメキシコでの日々。 「詩の第一行みたいに、そこにある」と、詩人が捕まえた世界の美しさにぜひふれてください。 ●あとがきより ===== 二〇二三年の九月より三カ月、二〇二四年の三月末より四カ月。わたしはメキシコにいた。一回目の滞在ではエッセイをたくさん書いて、二回目の滞在では詩をたくさん書いた。(中略) ノートをひらき、線を引く。デッサンをするように、大切な瞬間をとらえて描いていく。わたしにとって入口は同じだった。質感や感情のかたちによって、余白の多い詩になったり、物語をはらんだエッセイになったりする。 本著は十冊目の詩集であり、わたしのメキシコの日々そのものでもある。 ===== ●詩「乾季のおわり」より ===== 水分をはらんだ空気と この身体が天気を予報する 砂漠が靴にとどまって わたしたちは たしかに失ったのだが なにを得たのか知らない ===== 著/三角みづ紀 (ミスミ ミヅキ) 1981年生まれ。第1詩集『オウバアキル』で中原中也賞受賞。 第2詩集『カナシヤル』で南日本文学賞と歴程新鋭賞を受賞。 第5詩集『隣人のいない部屋』で萩原朔太郎賞を受賞する。
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あなたが言わなかったこと / 若松英輔
¥2,200
〈以下、版元ウェブサイトより〉 ◆NHK「100分de名著」の人気指南役が贈る、待望のエッセイ集◆ ──あなたは、何を伝えたかったのだろう。 あの日、贈られた言葉や、まなざしの意味を、時をこえて抱きしめる。 *** 【本文より】 彼女のためだったらできることは何でもする、そう心に決めて毎日を生きていたが、そうした思いを、はるかに超えるような強度で、彼女は、私のために全身全霊で生きていた。そのことにこのときまで気が付けなかった。 *** 著者紹介 若松 英輔(わかまつ・えいすけ) 1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞受賞、2018年『詩集 見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、2019年に第16回蓮如賞受賞。 近著に、『詩集 ことばのきせき』『自分の人生に出会うために必要ないくつかのこと』(以上、亜紀書房)、『霧の彼方 須賀敦子』(集英社)、『光であることば』(小学館)、『藍色の福音』(講談社)、『読み終わらない本』(KADOKAWA)など。 価格 2,200円(税込) 発売日 2025年11月18日 判型 四六判変型 製本 上製 頁数 160頁 ISBN 978-4-7505-1898-5
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贈り物の本
¥2,200
〈以下、版元ウェブサイトより〉 あなたの「忘れられない贈り物」はなんですか? 読むと、誰かを思い出す。 うれしさ、心温まる記憶、懐かしい風景、かすかな痛み、複雑な思い。 作家・詩人・ミュージシャン・俳優・漫画家など37人が、大切な記憶を持ち寄る、書き下ろしエッセイ集。 *** 【目次】 ・「キャサリンという贈り物」川内有緒 ・「受け取る深さ」斎藤真理子 ・「流氷のかんづめ」山崎ナオコーラ ・「白いもらいもの」名久井直子 ・「贈り物は難しい。」後藤正文 ・「鯛焼き」渡辺尚子 ・「娑婆は桜」武塙麻衣子 ・「バウムクーヘンと熱意」武田砂鉄 ・「母と蝶」青木奈緖 ・「要らない部分がある子供服」こだま ・「ヤクザと贈り物」鈴木智彦 ・「しわっとしたお札」佐藤ジュンコ ・「今夜、すべてのバーで」村井理子 ・「祖母の着物、祖母の記憶」安達茉莉子 ・「うなぎで釣竿を釣る」美村里江 ・「別れのダンス」金井真紀 ・「戻ってきた文庫本」青山ゆみこ ・「生まれてはじめての贈り物」西淑 ・「祖母としての私に贈られた万年筆」頭木弘樹 ・「お返し」浅生鴨 ・「それはもう愛」植本一子 ・「ずっしりと、重く」古田徹也 ・「緑の靴」近藤聡乃 ・「宛名のない場所」白川密成 ・「祖母の長財布」高橋久美子 ・「プレゼントロイヤルストレートフラッシュ」サンキュータツオ ・「ポカリ遺跡」藤岡みなみ ・「ホンダCD125-T」吉村萬壱 ・「差し入れ」日野剛広 ・「不器用を、自信を持って贈ります」古賀及子 ・「猫たち」田尻久子 ・「贈ったり贈られたり」辻山良雄 ・「贈られた小説」有松遼一 ・「持っていき」牟田都子 ・「夜明け前の戦いを贈ります。」和合亮一 ・「見えない贈り物」若松英輔 ・「はるちゃんの動画」くどうれいん *** 著者紹介 青木奈緖(文筆家) 青山ゆみこ(編集・ライター) 浅生鴨(作家) 安達茉莉子(作家) 有松遼一(能楽師) 植本一子(写真家) 頭木弘樹(文学紹介者) 川内有緒(ノンフィクション作家) 金井真紀(文筆家・イラストレーター) くどうれいん(作家) 古賀及子(エッセイスト) こだま(作家、エッセイス) 後藤正文(ASIANKUNG-FU GENERATION・ボーカル&ギター) 近藤聡乃(マンガ家、アーティスト) 斎藤真理子(韓国語翻訳者) 佐藤ジュンコ(イラストレーター) サンキュータツオ(漫才師「米粒写経」、東北芸術工科大学准教授) 白川密成(栄福寺(真言宗)住職) 鈴木智彦(フリーライター) 高橋久美子(作家・作詞家・農家) 武田砂鉄(ライター) 武塙麻衣子(小説家) 田尻久子(橙書店 オレンジ店主) 辻山良雄(新刊書店「Title」店主) 名久井直子(ブックデザイナー) 西淑(イラストレーター、画家) 日野剛広(ときわ書房志津ステーションビル店店長) 藤岡みなみ(文筆家、ラジオパーソナリティ、ドキュメンタリー映画プロデューサー) 古田徹也(哲学者) 美村里江(俳優・エッセイスト) 牟田都子(校正者) 村井理子(翻訳家) 山崎ナオコーラ(作家) 吉村萬壱(小説家) 若松英輔(批評家、随筆家) 和合亮一(詩人) 渡辺尚子(編集者、ライター) 【編】牟田 都子 価格 2,200円(税込) 発売日 2025年11月18日 判型 四六判変型 製本 上製 頁数 156頁 ISBN 978-4-7505-1899-2
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ぺちゃんこスタンレー / ジェフ・ブラウン、トミー・ウンゲラー
¥1,320
〈以下、版元ウェブサイトより〉 目が覚めたら、スタンレーはぺちゃんこになっていた…… 身長122cm横幅30cm厚さ1.3cmのぺらぺらの男の子が活躍する痛快な物語。 定価:1,200円+税 判型:A5判 ページ数:80頁 ISBN:978-4-7515-1884-7 初版:1998年12月 対象:小学校低学年〜中学年
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たやすみなさい / 岡野大嗣
¥2,200
(以下、版元ウェブサイトより) 第一歌集『サイレンと犀』につづく 5年ぶりの第二歌集、ついに刊行! 【著者選】 写メでしか見てないけれどきみの犬はきみを残して死なないでほしい 返信はしなくていいからアメリカっぽいドーナツでも食べて元気だして もう一軒寄りたい本屋さんがあってちょっと歩くんやけどいいかな ゆぶね、って名前の柴を飼っていたお風呂屋さんとゆぶねさよなら 二回目で気づく仕草のある映画みたいに一回目を生きたいよ 【書誌情報】 四六判変形/並製/144頁 定価:本体2,000円+税 ISBN978-4-86385-380-5 カバーイラスト:安福 望
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嘘があふれた世界で
¥737
これが当たり前になった時代で、あなたならどう生きる? 信者に人生を壊されたVtuber、バズって神格化された女子高生、呪いのアプリの謎に迫る調査員、未だに動く亡き夫のアカウント。それぞれの物語に隠された、生きていくための秘密と嘘。ベストセラー『世界でいちばん透きとおった物語』のスピンオフも収録した、新進気鋭の最注目作家7名による“今”を切り取るアンソロジー 著:浅倉秋成、大前粟生、新名智、結城真一郎、佐原ひかり、石田夏穂、杉井光 判型 新潮文庫 頁数 320ページ ISBN 978-4-10-180282-4
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毎週編みたい靴下52足 / レイネ・パブリッシング
¥3,630
『靴下を編む52週』『ショールを編む52週』に続き、世界各地のデザイナーによる美しくユニークなデザインの靴下を52足掲載しています。さまざまな糸、さまざまなテクニックで編んだ靴下は、日常生活をちょっと楽しく、嬉しい瞬間にしてくれる名脇役。本書ではユニークな縁飾りやビーズの編み込みパターンなど、これまでにないデザインを多数収録しています。順番に編み進めても、お好きな柄から気ままに編んでも大丈夫。クラシックだけれどどこか新しい、ソックスニッティングの日々をお楽しみください。 発売日:2024年9月刊行 仕様:B5変形 並製 総256頁 定価:3630円(10%税込) ISBN:978-4-7661-3825-2
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靴下を編む52週 / レイネ・パブリッシング
¥3,630
1週間に1足ずつ、1年間で52足の靴下編みを楽しめる一冊。52 足の靴下をデザインしたのは、世界各地のデザイナーたち。デザインや糸、テクニック、さらに難易度もさまざまです。長く、くり返し楽しめる、未来のクラシックになるような美しく実用的な本。 発売日:2021年11月刊行 仕様:B5変形 並製 総256頁 定価:3630円(10%税込) ISBN:978-4-7661-3513-8
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【サイン本】随風 01
¥1,980
*寄稿者のサインがランダムで記名されます。指定はできませんので予めご了承ください。 文学フリマや独立系書店の店頭を席巻する随筆/エッセイムーブメントに呼応する文芸誌、ついに創刊! 本誌『随風』は書き手/読者の随筆にかける思いに寄り添って船出する小舟です。 随筆の風が吹く限り、どこまででもともに旅しましょう(年2回刊行予定)。 〈目次〉 巻頭随筆 宮崎智之 船出にあたって 平林緑萌 随筆特集「友だち」 浅井音楽 海猫沢めろん オルタナ旧市街 かしま 岸波龍 早乙女ぐりこ ササキアイ 作田優 鈴木彩可 竹田信弥 友田とん 西一六八 野口理恵 批評 柿内正午 仲俣暁生 横田祐美子 座談会 城崎にて、香川にて 森見登美彦 円居挽 あをにまる 草香去来 編集していない編集者の編集後記 北尾修一 装画 坂内拓 価格 1,800円+税 ISBN 978-4-909868-17-6 Cコード 0095 判型 A5判 縦148mm 横210mm 140ページ
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【サイン本】随風 02
¥1,980
*宮崎智之さんほかランダムに数名のサインが入ります *サインはお選びいたたけません 随筆復興を推進する文芸誌『随風』の第2号 表紙イラストは、前号に続き坂内拓さんが手がけています __ 〈目次〉 巻頭随筆 宮崎智之 随筆特集 テーマ「好奇心」 アサノタカオ 磯上竜也 今井楓 オルタナ旧市街 清繭子 古賀及子 早乙女ぐりこ 杉森仁香 絶対に終電を逃さない女 西川タイジ 花田菜々子 pha 吉田棒一 わかしょ文庫 批評 柿内正午 佐々木敦 和氣正幸 インタビュー 村井光男(ナナロク社) 編集していない編集者の編集後記 吉川浩満 __ B5判、162ページ
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不便なコンビニ2 / キム・ホヨン
¥1,980
〈以下、版元ウェブサイトより〉 韓国発の大ベストセラー小説、待望の続編! 狭くて品揃えも悪く、近所の人から「不便なコンビニ」と呼ばれるALWAYS。深夜バイトの独孤(トッコ)が店を去ってから6つの季節が過ぎた。オーナーのヨムさんは体調を崩し、折り合いの悪い息子ミンシクに経営を、古株のソンスクに店長を任せ、ソウルを離れていた。独孤から仕事を引き継いだ元刑事のクァクも故郷に帰ることになり、ソンスクは愛想はいいが要領の悪そうな中年男性クンベを深夜バイトとして採用する。今日も悩みを抱えた人たちが、ALWAYSを訪れる。一方、クンベにはある秘密があった……。 2024年本屋大賞翻訳小説部門第3位。韓国でシリーズ累計150万部超、台湾で15万部超。ソウルで上演される舞台はロングランとなり、ドラマ化も進行中の世界的ベストセラー「Kヒーリング」小説、日本に待望の続編が上陸! 定価1980円(税込) 発売日2025.02.27 判型/頁4-6/354頁 ISBN9784093567503
